【検証】老舗くず餅店はどんだけすごいのか?
公開日:2017年8月3日
当たり前過ぎて、その姿が霞んでしまう。
亀戸民にとっての船橋屋は、もしかしたらそんな存在かもしれない。
日々店舗の前を通り、TVや雑誌での紹介記事を目にすることも少なくない。
街の代名詞である老舗、鉄板の亀戸土産、繁忙期は大行列の船橋屋……
船橋屋を知らない亀戸住人、江東区民はいないだろう。
だが、どうだろうか? 店舗で時間を過ごしたことがある人はどれだけいるだろうか?
船橋屋は亀戸を説明するときのアイコンなのか? 土産を買うだけのところなのか?
では検証と参りましょう!
亀戸在住の親子三代で訪ねてみた!
「あらためて船橋屋ってどんなところ?」を検証するにあたり、
今回はあえて、甘味に縁遠い男性、それも亀戸在住の三世代で本店へ出向いてみた。
お邪魔したのはこの3人。
はい、筆者であるわたくしと、その父、そして息子です(笑)
この3人の船橋屋歴を簡単にご説明しますと、
■父…66歳。亀戸生まれ。船橋屋に行くのは久しぶり。
■わたし…39歳。亀戸生まれ。船橋屋は手土産に購入すること度々。
■息子…4歳。亀戸生まれ。船橋屋は幼稚園帰りによく立ち寄る亀戸梅屋敷で実食済み。
いざ入店。
父「いやー、船橋屋で席につくのは久々だな」
わたし「うん、お土産でくず餅はよく買うけど、店に入ることって意外に少ないよね」
父「そりゃ、生まれた時から知っている大店だからな、親しみはあるんだが、持ち帰ることが多いな。店のなかは雰囲気があるし、老舗とはいえ、真新しさもあるな」
わたし「昨年末にリニューアルしたらしいよ。ま、なんか頼もうよ」
父、◯◯に驚くの巻
わたし「どれにしようかね?」
息子「ぼく、かき氷がいいな。いちごのね」
父「船橋屋といえば、くず餅と思ってたが、いろいろあるんだな」
わたし「おれはさっぱりと、ところてんかな」
父「おれは豆くず餅にするか」
わたし「じゃあ、注文するよ」
父「お、ちょっと待て!」
わたし「何? 大声出さないでよ」
父「コーヒーがあるのか、船橋屋に。和菓子だから日本茶だけかと思ってたら、これはいいな」
わたし「たしかに知られてないかもね。船橋屋でコーヒーっていうのもいいよね」
【父(66歳)の選択】豆くず餅(700円)
豆は北海道富良野産の赤えんどう豆。
父「うん、いいな。くず餅だけでも美味いが、豆の塩っ気と蜜の甘みが互いを引き立て合うな。あれだな、スイカに塩なやつだな」
【わたし(39歳)の選択】ところてん(580円)
全国から吟味して仕入れた天草を使用。
わたし「これこれ! この酸っぱい酢醤油が爽やかでいい! 夏だねー」
【息子(4歳)の選択】かき氷 苺ミルク(900円)
砕くのではなく、細かく削いだ氷はふっくら、そして溶けづらい。
息子「わーい、かき氷、かき氷♪ シロップかけてー」
わたし「このシロップ、果肉たっぷりでとろみがあってすごいね」
父「食べきれるか? すごいボリュームだな」
息子「いっただきまーす! うん、おいしいっ! それに全然アタマ痛くならないー」
父「なんだか、こういう時間もいいもんだな」
わたし「そうだね。今時なカフェとはまったく違う雰囲気、これって船橋屋ならではかもね」
息子「全部たべちゃった!」
父&わたし「おぉ!」
奥さんたちにはお土産を
わたし「なんか男たちだけで、楽しんじゃったね」
父「土産買って帰るか」
息子「ママ、喜ぶと思うよ!」
親子三代で訪ねた船橋屋。
店を後にする頃には、
地元民ながら忘れかけていた
老舗ならではの完成度の高い味わい、
そして、豊かな時間を過ごすことができる空間に、
男三人が満足。
創業212年。
その歴史の長さがすごいのではなく、
長く愛される理由がすごい。
そう気付かされる検証であった。
息子「またこよーねー」
父&わたし「そうだね。近所だしね」
ーおわりー