shopping_cart お茶 shopping_cart 食器 shopping_cart 玩具・バラエティー

お茶の秋山園 葛西橋本店(オチャノアキヤマエン カサイバシホンテン)

place旧葛西橋バス停から徒歩1分

長年培ってきた経験をもとに、お茶の楽しさを伝える

公開日:2024年10月15日

※取材時点の営業時間や料金などが変更している可能性があります。最新の情報はお店にお問い合わせください。

 

お茶の楽しさを体験してほしい。こう語るのは、東砂にある「お茶の秋山園」で店主をつとめる杉本守隆さん。

同店では静岡県産の茶葉をはじめ、高知県産や宮崎県産の茶葉、高名な茶師が厳選・配合した高級煎茶も取り扱っています。

秋山園のお茶を美味しく飲むコツについて、杉本さんにお話を伺いました。

 

秋山園は創業昭和4年の老舗茶屋

個人商店から始まった秋山園は昭和4年に創業し、2025年には95周年を迎えます。

約30年ほど前、サラリーマンだった杉本さんは、結婚後に家業を継ぎ、そこからお茶の世界に携わってきました。

 

お茶の秋山園 葛西橋本店

▲親子3代にわたってお茶屋さんを営んでいます

 

秋山園では独自の配合で組み合わせたお茶を販売している

お店では、先々代から継承されてきた合組のお茶を販売しています。

※合組(ごうぐみ)とは、数種類の茶葉を厳選し、配合を行う作業のこと。

「合組は一言でいうとお茶屋さんの特徴のようなもの。各お茶屋さんに存在する、味の特徴と捉えてもらえばわかりやすいかもしれません。秋山園では、先代・先々代から続く『火の強いお茶』を扱ってきました」と杉本さんは言います。

 

お茶の秋山園 葛西橋本店

▲棚にはさまざまな種類のお茶が並んでいます

 

お茶の秋山園 葛西橋本店

▲さまざまな急須も並んでいます

 

火を強くするとは、お茶を乾燥させる工程のこと。お茶の製造過程では、最終的に火を入れて乾燥させます。そのときに火の強さを通常より少し強することで、焦がす直前により良い香りが生まれるそうです。

「現在と比べ、先々代の頃の東京は水道水があまり美味しいとは言えなかったため、それに負けないお茶を扱う必要がありました。香りの良さを売りにしようと考えた末に、火の強いお茶を扱う考えに至りました。ただ、それだけの種類だと一辺倒になるので、お茶の特徴を活かせる合組を行っています」

継承してきた合組には先々代からの並々ならぬ努力があったようです。

杉本さん自身も培ってきた経験をもとに、その時々で変化するお茶とも向き合いながら、今でも努力を続けています。

 

おすすめは「深蒸し煎茶・特製秋山園 」と「茶師・前田文男十段の特別仕様の煎茶」

秋山園のおすすめは、秋山園特製の煎茶と、茶師・前田文男十段に仕上げてもらった特別仕様の高級煎茶です。

看板商品の「深蒸し煎茶・特製秋山園 」は秋山園の屋号が入った同店で一番人気のお茶。急須に80℃の温度で淹れて10秒間待つ。急須で長く蒸らす必要がなく、短い時間ですぐ飲めるので、慌ただしい朝にも美味しいお茶がいただけます。

 

お茶の秋山園 葛西橋本店

▲「深蒸し煎茶・特製秋山園 」(左)、「茶師・前田文男十段の特別仕様の煎茶」(右)

 

もうひとつのおすすめは、高名な茶師・前田十段が合組した特別仕様の煎茶です。

秋山園限定デザインの高級煎茶で、一般のお店には出回っていません。秋山園でしか販売していない限定茶です。前田十段に依頼した際に、同じ系統では意味がないので、従来から取り扱っているお茶とは対極の合組をお願いしたようです。

「お茶にはそれぞれ特徴があり、お客様の好みもさまざまあります。」と杉本さん。葉っぱの形状も違うので、深蒸しが好きな人もいれば、そうでない人もいます。それぞれのニーズに応えられるように、秋山園ではバリエーションを持たせた商品が置かれています。

 

おすすめの淹れ方は、70℃の温度で約1分弱蒸らす。そこからゆっくり注いで入れると美味しく感じるとのことです。前田十段の商品パッケージにはそうした淹れ方は書かれていないため、杉本さんは購入の際にその都度説明されているそうです。

 

お茶の秋山園 葛西橋本店

▲熱すぎるお茶はNG。適温で飲むのが一番美味しく感じられます

 

「温度が高すぎるお茶は良くありません。若い人たちがよくやってしまうのが、熱すぎるお湯で淹れてしまうこと。そうなると渋みが出てしまい、水色もよく出ません。熱いお湯が適しているのは、ほうじ茶や番茶、玄米茶くらいです」

ほかにも「美味しいお茶をください」といったリクエストを受ける際も、湯冷ましなどの道具を使うのか、飲む時間帯が何時なのかといった細かい状況を聞いたうえで、合うお茶をおすすめされています。

お茶選びに迷ったときは、杉本さんに相談してみてはいかがでしょうか?その人に合った淹れ方・飲み方のアドバイスがもらえます。

 

テイクアウトでさまざまなお茶が楽しめる

秋山園では、少量サイズ(220ml)のお茶をテイクアウトできるサービスも行っています。

「どのお茶が自分の好みか分からないのに、100g買って合わなかったら失敗ですからね」気軽にお茶を楽しめる心遣いも秋山園ならではのサービスです。

 

お茶の秋山園 葛西橋本店

▲お茶Barでは茶師十段のお茶もラインナップに。

 

テイクアウトでお茶を提供するようになったこともあり、最近では若い人も増えてきたと杉本さんは感じているようです。

訪れた際に何が良いか判断つかないときは、何種類か持ち帰れば、好みの味がみつかるかもしれません。

 

お茶の秋山園 葛西橋本店

お茶の秋山園 葛西橋本店

▲暑い時期はアイスクリームも売っています(10月頃まで)

 

お茶の秋山園 葛西橋本店

▲杉本さんの義理の妹さんが手掛けられている手作りのアクセサリーもコーナーの一角を飾っています

 

お茶を楽しんでもらえる場所を作りたい

お茶を楽しむ機会を提供することで、若い人たちにもお茶の魅力を知ってもらいたいと杉本さんは語ります。

「今の時代、昔のような形で新しい店舗を出すのは難しいと考えています。むしろ、短期間だけ場所を借りて、お茶のワークショップを含めたサロンのような形で、お茶を楽しんでもらう、遊んでもらうような場所を作ることを考えています。例えば月に1日か2日だけ、そういう場所を借りて、興味のある方に来ていただくような形です。若い世代の人たちにもぜひ来てほしいですね」

日本茶が持つ癒しの力を多くの人に知ってもらえるよう、杉本さんはお茶の魅力をどう発信していくか日々模索しています。

お茶に興味がある方は、ぜひ杉本さんとお茶談議をしてみてはいかがでしょうか。

 

 


※2024年9月取材時の情報です。料金や営業時間などが変更になる場合がございます。詳細は必ず店舗にてご確認ください。

※記事中の金額は全て税込みの価格です。

 

keyboard_arrow_up