旬の食材を使った愛媛・宇和島料理を亀戸で
公開日:2019年4月3日
なんとも風情ある佇まい、亀戸6丁目にある「和旬 しょう庵」へ行って来ました。
こちらが、店主で料理人の庄司宏彰さん。
愛媛県宇和島の郷土料理を作り20年して独立。2018年10月、自宅のある亀戸に日本料理店をオープンしました。
店内はカウンターとテーブル席があり、10名以上で貸し切りもOK。敷居が高い感じはなく、普段使いできる小料理屋という印象。落ちついて食事を楽しみたい中高年のお客様が多いというのも納得です。
庄司さんが作るのは、新鮮な食材を使った宇和島料理を中心とした日本料理。毎朝バイクに乗って豊洲市場へ行き、魚介類や野菜を仕入れています。お客様のわがままウエルカム!「あれが食べたい」というリクエストに応えて、仕入れをすることもあるんだとか。
この日、仕入れたという食材をいくつか紹介してもらいました。
このめちゃめちゃ大きいシイタケ、飛騨高山の農園で作られている、「熊さんの森のヘルシーステーキ」。その名の通り、ステーキになるのでしょうか。
↓ なんだかわかりますか?
なんと、フジツボ! 海岸や船にへばりついているのを思い出しますが、かなり大きいです。青森産のこちらのフジツボは、ホタテの養殖の副産物で、食通の間でじわじわと知られつつある高級珍味。
殻からぴょこぴょこと顔(?)を出してます。まだ生きてます。
この新鮮なフジツボ、どんな風に料理するのか・・気になりますよね!?
高級料亭などでないと滅多にお目にかかれないフジツボ料理、庄司さんが作ってくれました!
じゃ~ん!こちらが焼きフジツボ!
殻は食べません。中の身をいただくと・・おいしい!!
食感は、そうですね~、貝ではなく、カニとかエビとか甲殻類に近いです。
ちなみに魚介類のお値段は時価。その日の仕入れによって違うので、お店で確認してくださいね。
亀戸でブランド魚を堪能!
和旬しょう庵で使う魚のほとんどが、ブランド魚と呼ばれる各地の高級魚。
たとえばこちら。一度にたくさん漁獲する、はえ縄漁や、ひき縄漁などではなく、魚を傷つけることない一本釣りで獲ったハナアジ。
「食べるとまったく違います」と、庄司さんがいう、愛媛のブランド魚の「奥地あじ」です。
そしてこちらが、北海道のブランド魚「釣きんき」。
高級魚、きんきの最上級クラス。かなり大きいです!
「今日はこれを煮つけにするので、食べてって」という優しいお言葉に甘えちゃいます♪
「旬の食材を気がねなく楽しんでもらいたい」という庄司さん。
手際よく何品もの料理を作ってくれました!!
左上の小皿に乗った料理は、愛媛県の八幡浜から直送のじゃこ天で、左下は同じく八幡浜から直送、高級蒲鉾の原料、鱛(えそ)という魚の皮を竹に巻いて焼いた皮ちくわ。
最初、コリコリした食感だったのが噛むうちに軟らかくなる皮ちくわ、八幡浜産の珍味だそうです。
メインのきんきはもちろん、添えられたゴボウもお豆腐もやわらかく、中まで味がしみていて、なにしろおいしい!!食材の魅力を最大限に引き出す、職人技による美味を堪能しました。
この料理、これで終わりではありません!
「せっかくの良い食材をとことん味わってもらいたいから」と、皿に残ったきんきの頭や尾、骨、煮汁で何かを作ってくれるそうです。
何かの完成を待つ間、「これをどうぞ」と作っていただいたのが、海賊めし。宇和島料理店の親方の味を引き継いだという海賊めしは別名、鯛めし。
秘伝のだし汁に卵黄と刻み海苔、そしてたくさんの鯛の切り身。これをよく混ぜて、ご飯にかけていただきます。
新鮮な鯛とだし汁とご飯の相性ばっちり! おいしくて、サラサラいけちゃいます。お値段も1,200円とリーズナブル。日本食の魅力を改めて実感しました!
海賊めしを食べ終わった頃、登場したのがこちら。
さっきのきんきの煮つけの残ったタレと、頭や尾、骨など残ったものにお湯を加えて煮込んだ、いうならば、和風ブイヤベース。これ、メニューにはありません。
「お湯を足して煮ただけ」と庄司さんは言いますが、さらに魚から出るうま味が煮汁に加わり、ダイナミックながら、なんとも上品な味でした。
これらの料理に合うのは、やはり日本酒。
愛媛県の蔵元、川亀酒造の「川亀 特別本醸造 蔵人」と、梅錦山川(株)の「梅錦 本醸造 夢人」を試飲させていただきました。
「食前酒にちょうどいい」と庄司さんが言う川亀は、さっぱりしていて飲みやすく日本酒初心者にもおすすめ。「酒ツウが好む」という梅錦は、これぞ日本酒!といった味でした。
上質の食材を使い、職人の手間暇かけて作る和の料理は、決してお安くはないけれど、コスパ良い下町価格。お給料日や記念日の会食など、ワンランク上の食事を楽しみたい時におすすめのお店です。
※本文中の情報は2019年4月時点のものです。