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ギャラリーコピス

はじめまして。

公開日:2016年6月12日

ギャラリーコピスのオーナー、みどりです。

ことみせさんでもコピスのブログを始めさせていただくことになりました。

 

さぁ何を綴ろうか

まずは、ギャラリーコピスの展示の紹介や、作家の紹介、
感想や日々の出来事・・・ということになるでしょうが、
深川、清澄白河の町の出来事や歳時記もご紹介できたら、と思います。

そしてコピスの看板犬 サニー取締役のお話も。


 

コピスでは、ギャラリーのほかに、
作家の皆さんの魅力を発揮していただける「お教室部門」があります。

詳しくはこちらをご覧ください。http://www.jolly-job.com/lesson/

絵画教室、韓紙工芸、羊毛クラフト、パステル画、
愛犬の肖像画、アートキャンドルなどなど・・・

その中で私も参加している創作文のお教室があります。
同じ教室の仲間がキャラクターというテーマで
私を書いたものがありますのでご紹介したいと思います。

私を知らない人も、私をイメージしていただけるのでは・・・
うっそぉーと思うか、そうそうと思うか、それは皆さんにお任せいたします。
では、はじまりまじまりぃ

 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 

僕は、小さなリヤカーに切り花をたくさん積んで、駅前の人通りのある広場に来た。
「今日は、ここで花を売ろう」
しかし、花を見る人はいても買っていく人は、なかなかいないものだ。
今日もそんなに売れないのかなぁ。僕の口から「はぁ」とおおきなため息が出た。
下に向いた視線の先を、白くて丸い犬がスタスタと通り過ぎ、止まった。
すると、その飼い主らしき女性も僕の前で足を止め、花を眺めている。品のあるご婦人だ。
「あの、おにいさん、このお花と」
「はい」
「ちょっと、おにいさん元気がないわね!それじゃ売れるお花も売れないわよ」
「・・・はい」
僕は急いで花束を包む。ご婦人の視線が痛い。
元気ない。か。僕は、よくそう言われる。もともと無口で、地味なタイプだからかもしれない。だからといって、元気がないわけじゃないんだけどなぁ。といつも心の中で思う。
「おまたせしました。どうぞ。ありがとうございました」
出来上がった花束をご婦人に手渡した。すると、ご婦人はその花束をしばらく眺め、香りを嗅ぐように顔を近づけた。そして、微笑んで、僕の方を見て言った。
「こんなに素敵な花束を作れるなら、もっと自信を持っていいのよ!」
「はい。」
「バケツにばらばらに入っていた切り花が、あなたのおかげで、ちゃんとした贈り物になるのよ。素晴らしいことじゃないの!」
「はい。」
「ほら、もっと元気出しなさいって!」
「はい。」
僕は嬉しいやら、恥ずかしいやらで、下を向くと、白くて丸い犬が首をかしげて、こちらを見ていた。
「ほら見て、サニーもそう思うわよね?」
サニーという賢そうな白い犬は、ご婦人が差し出した花束を覗き込み「わん」と吠えた。
何ともかわいい犬だなぁ
「お兄さん、今、笑ってるわよ!」
「あ。」
「その笑顔を忘れなければ、大丈夫!腕はいいんだからね!」
「・・・はい」
ふと気付けば、ご婦人の後ろには、お客さんの列が出来ていた。
「ま、まさか、僕の店に?」
僕は驚いて、すぐにご婦人の方を向いたが、さらっと手を振り、人混みに紛れていってしまった。
やるせない気持ちで、僕は、元気を出して、大声で叫んだ。
「ありがとうございましたっ!!」

 

Mちゃんの作品より。

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