おいしい野菜と果物、おじちゃんとの会話つき!
公開日:2014年3月15日
団地1階に彩られる色
高度成長期、誰もが夢を見た時代
人口増加とともに団地もニョキニョキ。
1階には必然的に人が集まるお店がいっぱいになるもの。
時代は変われども、今もカラフルな色に溢れる店構え、
「のなかストアー」の活気にはなにか引き寄せられるものがある。
「新鮮なもの、味の良いものを食べてもらいたいからね。
果物なんか味見をしてもらうようにしてるよ。
だって味をみたら、おいしさがわかるでしょ」。
と店主の塩原昇さん。
味を確かめてから買えるって、専門店ならでは。
塩原さんは谷中銀座の八百屋さんで15年ほど修行し、
昭和47年にこの地で開業。
長年培った経験やノウハウから
「少々高くても味の良いものを」
との信念で商品を選んでいるそう。
ツヤツヤと、ほんとおいしそう・・・。
もうひとつ。冬場、店頭では焼き芋が。
震災時は東北まで届けに行ったそう。
「一つ食べてきな!」と
発砲スチロールのフタを開けたら・・・
なんとも甘やかな香り
一口齧ってみたら、ねっとりと濃厚。
「これはね、“紅はるか”。
焼き芋ってぽろぽろするのがあるけど、
うちのはしっとりとしたのを出してるね。
これ、冷えて温めなおしたら芋ようかんになるよ!」
こんなに大事に持って帰ろうと思った焼き芋ははじめて。
「お客さんと話すのが好きだからね」
気さくな塩原さんはお客さんとのやりとりが大好き。
「お客さんとのやり取りを大事にしてるね。
地元の人に信頼してもらって、いっぱい来てもらってるね」。
塩原さんの雰囲気が
そのまま表れているような店内。
この招き猫の位置が・・・なんともお茶目!
塩原さん曰く
「日本一安い自動販売機」。
こんな仕掛け、ニクイじゃありませんか!
こういうところがまた行きたくなるのかもしれません。
そしてもうひとつ。塩原さんの相棒も。
時に店内をゆっくり、気の向くまま巡回。
時に塩原さん特製ベッドで思うがままおやすみ。
外部警備に勤しむこともあれば、
店内でお客さんに愛想を振りまいたり。
「おいしい」は当たりまえ。
少し高くたって、味が良いものこそ食べたくなる。
でも、店作りはそれだけじゃない。
あの店から買いたい、あの人に会いたい、って気持ちが大切なのだろう。
大島にはまた行きたい八百屋さんがある。