地域と歩む味 中華料理店「龍苑」30年の物語
公開日:2025年1月24日
※取材時点の営業時間、料金などが変更している可能性があります。最新の情報はお店にお問い合わせください。
「中国料理 龍苑」誕生
「30年近く経つかな。いや、もう経ったかもしれませんねぇ。」
そう話すのは江東区にある「中国料理 龍苑」のご主人。修行していたお店を受け継ぎこの中華料理店をスタートしました。
もともとこの場所にあったのは、ご主人が修行していた「三龍亭(さんりゅうてい)」という中華料理店。三龍亭は当時の江東区内でも知る人が多く、他の地域でも展開していたそう。ご主人はそこで本格的な経験を積むうちに「自分の店を持ちたい」という気持ちが強くなり、当時の社長に相談すると「じゃあここでやってみる?」と店を譲り受けることになったのだとか。料理の味や店内はこだわりの詰まったご主人のオリジナルに、「中華料理 龍苑」の「龍」は修行時代の店名を受継ぎ、念願のお店をオープンしました。
▲ご主人と奥様に中華料理 龍苑のこれまでとこれからについてお話いただきました
深まるこだわり、染みわたる味
店の看板メニューは、味噌ラーメン。秋田生まれのご主人が、中国出身の奥様と共に試行錯誤し作った一杯は、味の調和が取れていて、一口すすると「ほっ」とする優しさ。
ベースは北海道味噌、そこに10種類の具材とたっぷりの玉ねぎ。コクとまろやかさが調和したスープは、体に活力が湧いてくる魅力があり、冬はもちろん、夏でも食べたくなります。
▲看板メニューの味噌ラーメン
味噌ラーメンの他にも中華料理 龍苑は、ぷりぷりエビシュウマイ、手作り餃子、手作り春巻きがおすすめメニュー。
特に餃子には並々ならぬこだわりがあるそうで、皮は浅草の製麺所と提携して毎朝仕入れています。中の餡は、修行時代のレシピとご主人のオリジナリティを加えて調整。包むのも焼くのも、すべて手作業。綺麗なはねが付いた餃子は、もちっとした皮と餡の相性が抜群です。
▲中華料理 龍苑こだわりの手作り餃子
▲中華料理 龍苑のおすすめメニューの手作り春巻き
▲小皿料理の蒸し鶏のポンズがけもとても美味しいです
▲ビールのお供にピッタリのメニューの数々。ビール以外にもお酒の種類も豊富に揃っています。
▲日替わりランチメニューと夜のメニュー
ランチは日替わりのバラエティ豊かなメニューの中から気分に合わせて選べる楽しさが。暖簾をくぐる瞬間から、ちょっと特別な時間が始まります。
夜はコース料理を中心にした宴会も可能で、飲み放題プランを追加すればより気軽に盛り上がれるのも嬉しいポイントです。ランチは気軽に、夜はしっかり楽しめます!
グルメ番組や映画のロケ地にも
中華料理 龍苑の味噌ラーメンと春巻きが紹介された情報番組でのテレビデビューがきっかけで、一時は店の電話が鳴りやまなかったことがあったのだとか。メディアの影響はすごいと実感したそうです。それからグルメ番組で紹介されたり、ロケ地で使われることもあり有名俳優陣が訪れたことも。聖地巡礼で訪れる楽しみもあります。
▲こだわりの詰まった店内の装飾
店内の飾りには映画のセットのような雰囲気があり、店に足を踏み入れると現地の雰囲気そのままで、日本ではない国に来たように感じます。
実際に内装は台湾から取り寄せた本格的な瓦や屏風などの飾りを使っていて、細部までこだわりが詰まっています。
サラリーマンから地域の人々まで
震災やコロナ禍では大変な経験をしたそう。震災の時は仕入れがストップし、コロナ禍では頻繁に利用していた地域のサラリーマンが外出できない日々が続いてお店の継続も悩んだのだとか。でもそんな時に団地などの地域の方々の手助けがあって今までお店を継続できているとご夫婦は話します。野菜の仕入れができなかったときには近所の常連さんが持ってきてくれたりしたそうです。ご夫婦も地域との繋がりや、時には助け合って皆がより良い方向に進むことを大切にされています。また、同じ団地の商店街の居酒屋さん「うおせい 炭火やきとり」は系列店とのこと。よく行き来して連携されているそうです。
中華料理 龍苑では、口コミで来店するお客さんが多く、29年前にチラシを配って以来、宣伝は行っていないとのこと。それでも客足が途切れないのが地元に愛され続けるということですね。
そして、15名以上の場合は貸切もできるそうで、これも嬉しいポイントです。
外国の方にも伝えたい。「地元に愛される」ってかっこいい!
これからの「中華料理 龍苑」は、地元に根差しながら世界にも発信するために、まずは英語での情報発信から始めたいとのこと。「観光で来た外国の方にも、うちのラーメン食べてもらえたら嬉しい」とご主人は笑います。
30年前に掲げた「自分の店をやりたい」という夢は、確かに実現しています。ただ、それで終わりではありません。店を続けていく中で、日々新しい課題や出会いがあり、そのすべてが「中華料理 龍苑」のこれからに繋がっていくことでしょう。
ご主人と奥様の思いの詰まった「中華料理 龍苑」に是非足を運んでみてください。
※2025年5月取材時の情報です。料金や営業時間などが変更になる場合がございます。詳細は必ず店舗にてご確認ください。
※記事中の金額は全て税込みの価格です。