手廻し焙煎豆をネルドリップで。コーヒー好きのための秘密基地
公開日:2025年3月3日
※取材時点の営業時間、料金から変更している可能性があります。最新の情報はお店にお問い合わせください。
今回ご紹介する「珈琲かたの」は、住吉駅から徒歩8分。細い階段を上がった先の2階にある、秘密基地のような雰囲気のお店です。
店長が自ら焙煎した豆をネルドリップで丁寧に淹れた、極上の一杯をいただけます。
◆高度な焙煎技術と丁寧な選別が生み出すおいしさ
珈琲かたのは、店長である片野さんと副店長である奥さま、お二人で営んでいるお店です。全席カウンターの店内にはアナログレコードの音楽が流れ、バーのような趣も感じます。
▲ドラムに生豆を入れ、ハンドルを回しながら加熱して香りを引き出す”手廻し焙煎”
お店のオープンは2022年ですが、片野さんは四半世紀にもわたって焙煎の腕を磨いてきました。焙煎にこだわり抜くだけでなく、焙煎前のハンドピックと焙煎後のアフターピックを念入りに行なうことで、素材の味を最大限に活かしたコーヒーが出来上がるそうです。
オープン当初からの常連さんのほか、口コミを聞きつけて来店するコーヒー通の方も多いのだとか。海外からのお客様もよく来店するようで、「日本に来たら必ずここを訪れる」という方もいらっしゃるそうです。
▲「実家に帰ってきたみたい」と声をかけるお客様もいらっしゃるそうで、副店長である奥さまの気さくな接客もお店が愛される理由のひとつと納得です
▲素敵なカップは片野さんのセレクト。コーヒーの色がきれいに見えるものを選んでいるそう
◆ネルドリップの特長とは?
珈琲かたのに来たらぜひ味わっていただきたいのが、ネルドリップで丁寧に抽出されたコーヒーです。
ネルドリップとは、”フランネル”という布製のフィルターを使うコーヒーの淹れ方。「紙製のフィルターだと濃く淹れたときに苦みが残ったり、フレンチプレスだと微粉が入ったりするんですが、ネルドリップだとそういったことがありません。やわらかく丸みのある味わいで、口当たりもよくなります。」と、片野さんに教えていただきました。
▲豆はレギュラーとスペシャル、合わせて12〜15種類ほど。豆も販売しているので、お店で飲んだコーヒーの豆を自宅用に購入する方も
▲「秘密基地ブレンド」はコロンビアをベースに、エチオピア、インドネシアの豆を合わせたもの。かつて店長が昭和の喫茶店で感動したコーヒーの味を再現しています
▲「秘密基地ブレンド」を使ったエスプレッソも絶品。砂糖を入れていただくと、濃厚なチョコレートのような味わいに
▲ガトーショコラに添えられた完熟レモンのジャムも自家製です
そのほか、自慢のエスプレッソをかけていただくアフォガード、「水出しコーヒーをそのままゼリーにしたみたい!」と好評のコーヒーゼリーも人気メニューです。
◆「おいしいコーヒーをもっと広めていきたい」
最後に、片野さんに今後の展望について伺ってみました。
「おいしいコーヒーを作るのって、とても手間がかかるんですよ。それでも徹底的に手間をかけて良いものを作って、それを広めたい。そのために、今のような手廻しではなく工場で焙煎して、良い豆を生産するのが夢です。」
「あとは、手廻し焙煎とネルドリップのお店をやっている若い人もいるんですが、そういった人たちを引っ張っていける存在になりたいですね。僕の好きなお店も、廃業してしまったところが結構あるので…このまま終わりたくないな、と思っています。」
自家焙煎したこだわりの豆を使い、丁寧にネルドリップで淹れた一杯をいただけるお店は、今となっては貴重な存在です。おいしいコーヒーで一息つきたい方は、ぜひ一度訪れてみてください。
※2025年2月取材時の情報です。料金や営業時間などが変更になる場合がございます。詳細は必ず店舗にてご確認ください。
※記事中の金額は全て税込みの価格です。