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手づくりショップ るーくる(テヅクリショップ ルークル)

place東陽町駅1出口から徒歩5分

10年ぶりの再訪で見つけた、変わらない想いと新しい魅力

公開日:2026年10月15日

※今回は再取材を実施し、前回掲載後の新たな取り組みや変更点を中心にご紹介します。

※取材時点の営業時間、料金から変更している可能性があります。最新の情報はお店にお問い合わせください。

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つくる人の想いを届ける「手づくりショップ るーくる」

江東区役所の一角にある「手づくりショップ るーくる」。

店内には、焼き菓子やシフォンケーキ、雑貨、刺繍入りの小物など、さまざまな商品が並んでいます。

 

一見すると、地域の小さなお店のように見えるかもしれません。

しかし、ここには江東区内の障害福祉施設で作られた商品が集まり、一つひとつに働く方々の工夫やこだわり、そして「多くの人に届けたい」という想いが込められています。

 

2016年以来、約10年ぶりに再訪しました。

久しぶりに訪れると、変わらない温かさの中に、新たな商品の広がりが生まれていました。

 

2009年7月7日。七夕の日に生まれた「つながりの場所」

江東区役所2階にある「手づくりショップ るーくる」がオープンしたのは、2009年7月7日。江東区内の障害福祉施設で作られた自主生産品を、より多くの人へ届けるための販売拠点としてスタートしました。

 

店名の「るーくる」は、「ルート(Root=根っこ)」と「サークル(Circle=輪)」を組み合わせた名前。障害福祉施設同士のネットワーク、そして地域とのつながりを大切にしたいという思いが込められています。

七夕の日にオープンしたことも重なり、「つながりの場所」としての歩みを象徴するようなスタートとなりました。

 

「それぞれの事業所で商品は作っていましたが、まとめて販売できる場所があったらいいのではないか、という話から始まりました」

もともとは各施設がそれぞれ販売を行っていましたが、より多くの人に商品を知ってもらうため、一つの場所に集めて販売する仕組みが生まれました。

 

現在では9法人・27団体が参加し、食品や焼き菓子、パン、雑貨、アクセサリーなど、各施設の特色を生かした商品が店頭に並びます。

17年目を迎えた今も「つながり」の輪を広げながら、地域と福祉を結ぶ大切な場所として親しまれています。

 

手づくりショップ るーくる

手づくりショップ るーくる

△「手づくりショップ るーくる」の店頭に掲示された、店名の由来や施設の理念を説明する案内板

 

「福祉施設の商品」というイメージを変える、こだわりの商品

「手づくりショップ るーくる」の商品づくりで大切にしているのは、ただ作るだけではなく、「選ばれる商品」を生み出すこと。

そのため、素材選びや味、デザインにもこだわって商品づくりが行われています。

 

例えば人気商品の一つであるシフォンケーキ。南砂にある第三あすなろ作業所で作られているこの商品には、豆乳が使われています。

そしてこの豆乳へのこだわりに驚きました。

 

「シフォンケーキに使用する豆腐は、飲む豆乳とは違うものを使用しています」

 

商品ごとに素材を選び、よりおいしいものを届けるための工夫がされています。

味の種類も複数あり、その日のラインナップを楽しみに訪れるお客さまもいるそうです。

 

また、豆乳ソフトも人気商品の一つ。

名前の通り豆乳を使用した商品で、素材へのこだわりが感じられる一品です。

まずは食べて、その魅力を知ってほしい。

そんな想いが商品づくりの根底にあります。

 

手づくりショップ るーくる

△豆乳シフォンケーキ。もっちり、ふわふわの食感が魅力です。プレーンのほか、さまざまな味を楽しめます

 

手づくりショップ るーくる

△豆乳ソフト。区役所内でソフトクリームを楽しめるという意外性も、「手づくりショップ るーくる」ならではの魅力です

 

思わず手に取りたくなる、個性豊かな商品たち

店内には、焼き菓子やパン、プリンなどの食品をはじめ、刺繍入りの雑巾やハンカチ、アクセサリーなど、さまざまな商品が並んでいます。

 

中でも手に取ってしまったのが、刺繍入りの雑巾やハンカチです。

 

「雑巾にするのがもったいないくらいかわいいですね」

 

思わずそう口にしてしまうほど、一つひとつ丁寧に作られ、デザイン性の高い商品ばかり。普段使いはもちろん、贈り物にもしたくなるような温かみがあります。

 

さらに、絵本作家の方がデザインしたTシャツなど、オリジナル商品も販売されています。

 

商品は施設ごとに企画・制作されており、クリスマス限定商品など、季節に合わせた商品も登場します。その時々で店頭に並ぶ商品が変わるため、訪れるたびに新しい商品との出会いがあるのも「手づくりショップ るーくる」ならではの魅力です。

 

こうした商品づくりを支えているのが、毎月開催される「るーくる運営委員会」です。

「新しい商品を作りたい」という施設からの提案をもとに、価格や販売方法などを話し合い、商品化へとつなげています。

商品を並べるだけではなく、「もっと手に取ってもらえる商品にするにはどうしたらよいか」を参加する施設が一緒に考え、挑戦を続けています。

 

だからこそ、訪れるたびに新しい発見があり、思わず手に取りたくなる商品に出会えるのだと感じました。

 

手づくりショップ るーくる

△刺繍入りの雑巾と刺繍入りのハンカチ。さまざまな刺繍が施され、一つひとつ異なる表情を楽しめる人気商品です

 

手づくりショップ るーくる

手づくりショップ るーくる

手づくりショップ るーくる

△店内に並ぶさまざまな商品。食品から雑貨まで種類が豊富で、お気に入りの一品を探す楽しさがあります。中には、人気のため早く売り切れてしまう商品もあります

 

お客さまとの会話から広がる、商品の楽しみ方

「手づくりショップ るーくる」では、販売する側と購入する側との交流も大切にしています。

例えば、トマトとバジル味のグラノーラ。

あるお客さまから、

「パスタに入れるとおいしいですよ」

と教えてもらったことがあったそうです。

作り手だけではなく、購入した人のアイデアによって新しい楽しみ方が生まれる。

地域のお店ならではの温かな交流が、そこにはあります。

 

手づくりショップ るーくる

△グラノーラ。プレーンは朝食のシリアルに、トマト&バジルはパスタに加えるなど、さまざまな楽しみ方があります

 

手づくりショップ るーくる

△グラノーラやシフォンケーキ、芋けんぴ、ココアクッキー、米粉ガレット、手焼きせんべいなど、種類が豊富。それぞれの商品に作り手の工夫が込められています

 

 

遠隔操作ロボット「OriHime(オリヒメ)」が届ける新しい働き方

訪れて驚いたのが、店内で活躍する遠隔操作ロボット「OriHime(オリヒメ)」です。

 

このロボットは、重度障害のある方など、外出や通勤が難しい方への就労機会を提供するための取り組みです。

 

OriHimeにはカメラやマイク、スピーカーが搭載されており、利用者の方(パイロットと呼びます)は自宅などからリアルタイムで店内の様子を見ながらロボットを操作します。来店したお客さまと会話をしたり、商品の案内をしたりと、実際に店頭スタッフとして接客を行っています。

 

実際に操作を見せていただくと、顔の向きを変えたり、うなずいたり、手を動かしたりと、まるで目の前にスタッフがいるかのよう。

画面越しとは思えない自然なやり取りが印象的でした。

 

さらにこのOriHimeには、オリジナルの衣装が用意されています。ロボットの動きに合わせて腕を動かしやすいよう工夫されるなど、細かな部分まで考えて制作されています。

 

最新技術を取り入れるだけではなく、「一人ひとりが自分らしく働ける環境をつくる」。そんな「手づくりショップ るーくる」らしい思いが、この小さなロボットにも込められていました。

 

手づくりショップ るーくる

△OriHime(オリヒメ)。遠隔操作で店内の様子を確認しながら、お客さまとの会話や接客を行っています

 

手づくりショップ るーくる

△この日の取材では、翠華(スイカ)さんがOriHimeを操作してくださいました。ロボットの顔の向きや動きなど、さまざまな操作を実際に見せていただいたほか、商品の紹介や会話もしていただき、遠隔操作とは思えない温かな交流の時間となりました

 

商品を通じて、障害福祉の魅力を伝えていく

現在、「手づくりショップ るーくる」が力を入れているのは、商品の魅力をどう伝えていくかということ。

「良い商品を作っているだけでは伝わらないので、どうPRしていくかを考えています」

 

商品が売れることは、作業所で働く方々の自信にもつながります。

また、「手づくりショップ るーくる」ができたことで、作業所同士の交流や情報共有が生まれたことも大きな変化でした。

それぞれの作業所が持つ技術やアイデアを共有することで、新しい商品づくりにもつながっています。

 

長年続く取り組みは、少しずつ形を変えながら、地域に根付いています。

 

「まずは食べ物からでもいいので、気軽に来てほしいです。商品を知って、作っている人たちのことも知ってもらえたらうれしいです」

 

一つの商品との出会いが、新しい発見につながる。

区役所を訪れる際はもちろん、近くに立ち寄った際にも、ぜひ足を運んでみてください。

 

手づくりショップ るーくる

△取材当日に店頭を担当されていた、原さん(右)と松井さん(左)

 

手づくりショップ るーくる

△区役所内を訪れた人の目を引く、「手づくりショップ るーくる」のガラスサイン

 

取材後記

今回、一番印象に残ったのは「想像していた以上に商品へのこだわりが深かったこと」でした。

障害福祉施設で作られた商品ということで、つい「支援」という視点から見てしまう方もいるかもしれません。

しかし、実際に商品を手に取ると、素材選びやデザイン、使う人のことを考えた工夫が随所にありました。

特に印象に残ったのは、思わず欲しくなるTシャツや、かわいらしい刺繍商品。

 

「素敵だから買う」。

 

そんな当たり前の魅力がありました。

そして商品を見ているうちに、「これはどこの作業所で作られた商品なんだろう」と自然と興味が湧いてきました。商品をきっかけに作り手や施設のことを知りたくなる。

そんな出会いが生まれることも、大きな魅力なのだと思います。

 

また、遠隔操作ロボット「OriHime」の取り組みを通じて感じたのは、働くということに対する新しい可能性です。

 

商品を販売する場所でありながら、人と人をつなぎ、新しい挑戦を生み出している「手づくりショップ るーくる」。

 

長年続く想いはそのままに、これからも地域に新しい魅力を届けてくれる場所だと感じました。

 

手づくりショップ るーくる

△思わず購入してしまった刺繍入りの雑巾と刺繍入りのハンカチ。使うのがもったいないと感じるほど、かわいらしい商品です

 

手づくりショップ るーくる

手づくりショップ るーくる

△絵本作家の方がデザインした「デザインTシャツ」。半袖は人気のため、長袖を。

サイのイラストが印象的な一枚です

 

 


※2026年7月取材時の情報です。料金や営業時間などが変更になる場合がございます。

詳細は必ず店舗にてご確認ください。

※記事中の金額は全て税込みの価格です。

 

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