誰でも気軽に落語鑑賞できる街中の寄席
公開日:2025年1月28日
※取材時点の料金、営業時間など変更している可能性があります。最新の情報はお店にお問い合わせください。
今回ご紹介するのは、住吉駅から徒歩約5分の距離にある街中の寄席、「鈴座カフェ(リサカフェ)」です。主に二ツ目※の落語家さんが登壇する寄席で、誰でも気軽に生の落語を楽しめます。
(※落語家の階級。前座・二ツ目・真打の順に高くなる)
席亭(寄席の主催者)の安藝さんに、寄席を開くことになった経緯やお店のこだわりを教えていただきました。
◆つるちゃんを応援したい!から始まった寄席
安藝さんが落語に興味をもったのは、落語家・林家つる子さんをたまたまテレビで目にした時のこと。
「最初は『女性の噺家さんだ』と何となく見ていたんですが、気が付けば手をたたいて笑っていました。それから、YouTubeでつる子さんのチャンネルを見たり、ラジオに投稿したり…私は着物をたくさん持っていたので『着てみる?』と提案したりするうちに、親しくなりました。」
その後、着付けやグッズ販売のお手伝いなどで、様々な場所へ同行するようになった安藝さん。「二ツ目の方って、喫茶店とかレストランとか、ちゃんとした高座がないような、定員5〜10人くらいの場所でも落語をやるんですよ。『つるちゃんの二ツ目時代を支えるために、寄席を開けたらいいなあ』と思っていたところ、うちが物件を貸していたお店がちょうど出ることになって。じゃあここでやろう!と話がすすみました。」
そして2024年1月に鈴座カフェがオープンしましたが、その約2か月後に林家つる子さんは早くも真打に昇進。「つるちゃんを応援する寄席にするはずだったのに、応援してもらうことになっちゃいました。」と笑う安藝さん。ですが、なかなか落語ができる場所がない中で、とくに二ツ目の噺家さんから重宝されているそうです。
▲大人気の林家つる子さんが登壇するときは、いつも満席に
◆女子会や茶話会…鈴座カフェならではの楽しい企画
お店のこだわりについて伺うと、「常に新しいことやおもしろいこと、オリジナリティのあることを考えています。」と安藝さん。
そんな鈴座カフェならではの企画の1つが「女子会落語会」です。「寄席って男性客ばかりでちょっと入りづらい…」という声を受けて誕生したもので、演者さん・お客さんともに女子限定という企画です。
着物を持参すると、なんと無料で着付けをしてくれるといううれしいサービスもあり、大好評でした。
そのほか、寄席の後に演者さんとお客さんが一緒にお茶を飲みながら話せる「茶話会」を開いたことも。噺家さんとお話できる機会はかなり貴重なので、お客さんからとても喜ばれたそうです。
▲席亭が女性なので、柔らかいイメージでお店を作りたかったとのこと。外観の温かみある模様も、安藝さんがご自身でデザインしました
◆「どの席からでも楽しめるように」こだわりの高座と座席
お店をつくる際、林家つる子さんから「高座はとにかく高くしてください!」とアドバイスされたそうです。演者さんが見えやすく、マイクがなくても後ろまでしっかり声が届きます。
また、2列目以降でも見やすいよう、最前列は椅子の座面が10㎝ほど低くなっています。「お客さんも演者さんも、みんなが楽しめてニコニコして帰ってもらえるような寄席にしたいと思っていて。そのために、どの席からでも演者が見えて、楽しめる空間づくりを心掛けました。」
▲席数は全部で40ほど。一列目と二列目以降とで椅子の高さを変えるというこだわりようです
▲店名の「鈴座(リサ)」は、愛犬のリサちゃんと鈴ちゃんからとったそうです
「お客さんからも噺家さんからも応援してもらっているお店で、皆さんに感謝しかないです。」と話す安藝さん。
今後について伺うと、「これからも地域密着で、二ツ目さんたちを応援し続けたい。」と仰っていました。
「二ツ目時代をどう頑張るかで、落語家は将来が決まってきます。みんなうまくいくようにと願っています。」
もともと寄席が好きな方はもちろん、「最近落語に興味がでてきて…」という方も大歓迎です。ぜひお気軽に鈴座カフェへ足を運んでみてくださいね。
※2025年4月取材時の情報です。料金や営業時間などが変更になる場合がございます。詳細は必ず店舗にてご確認ください。
※記事中の金額は全て税込みの価格です。