だから、個人商店は面白いのだ
公開日:2015年11月2日
砂町銀座商店街で最古参の洋品店
砂町銀座商店街が「商店街」になる前からここで商売を始めて60年以上、という老舗洋品店。「まからんや」というユニークな店名、なにやら由来がありそうな・・・
お祖父さんが創業したという「まからんや洋品店」で、お父さんと店を切り盛りしている関野一(はじめ)さんにお話しを聞いてみました!
「店名には、二つの意味があるらしいんだよね」と関野さん。
商売は戦いだから一戦も負けられない!→まけられない → まけられん → まからんや
っていうのと・・・
これ以上は安くできないくらいほどサービスして販売しているから、もう一銭もまけられない!(以下、同上)
「お祖父さんが生きてるうちに、もっといろいろ聞いておけば良かったよ」と関野さん。
商店街の歴史、洋品店の歴史、お祖父さんの話、ワタシも聞きたかった・・
「他になくてもここにある」という安心感
「衣料品を置けば売れた」という昭和20年代から時を経て、洋品店事情も変わり、今は近隣の小中学校が指定する体操服や制服、上履きなど学校用品の販売がメーンに。
スクール水着も通年販売(サイズによっては取寄せ)しています!
「温水プールに行くとか、夏以外の季節に困るお客さんがたまにいてね。うちには一年中スクール水着が置いてあるから、けっこう喜ばれるんだよね」と関野さん。
小学校で最近使わなくなった紅白のハチマキ。時々、運動会で使いたいという企業や団体があるので、置くようにしているんだそうです。
その他、シーズンオフでも置いてあるのが、お祭り用品。
ダボシャツ、鯉口シャツ、半股引(はんだこ)、ゴムズボン、股引(ももひき)、足袋、これらも一年中、置いている定番商品だそうですよ!
安さの秘訣は、店主の人脈あればこそ
まからんやさんの人気商品が傘。
「どれも、他より200円くらいは安いんじゃないかなぁ」と、関野さん。
安さの理由は、「傘の問屋をやっている先輩がいて、安く仕入れができるんだよ」とのこと。
ちなみに、関野さんイチオシの、強風でオチョコになっても簡単に戻り、壊れずらい傘「さかさかさ」です。(子ども用・大人用あり)
他にも関野さんならではの、人脈を活かした仕入れでめちゃめちゃ安いのが、スカーフやマフラー類。
箱の中のスカーフは、150円!ほとんど一点もの、「カワイイのは売れちゃったけど、また違うのが入ってくるよ」だそうです。ここに行ったらのぞいてみましょ。
↓ このカシミアのマフラーは、ちょっと丈が短めという理由で、500円。
戦後、モノのない時代に商売を始め、その後、商店街に貢献し発展させてきた、たくましい先駆者のひとりである、関野さんのお祖父さん。
その子孫へと店は世代交代するも、初代の心意気と人脈を引き継いでいる「まからんや」さん。
万人が必要としないかもしれないけれど、必要な人にはありがたい存在の個人商店は、大型店にはない魅力があるんだなぁ。
「売りものにはしないけど、欲しいものがなければ作るよ」と、自作の釣り用リュックに大満足の関野さん。工作や手芸がお好きなんだとか。
ワハハと笑いながらいろんな会話も楽しめちゃう、これだから個人商店は面白いのだ♪