自慢すべき東京のレトロシックな八百屋さん
公開日:2016年12月20日
「本当の東京を見てみたい」
最近そんな相談を外国の友達からよく受けます。
え?どういう意味?
「う~ん、うまく言えないけど、観光ブックに載っているキラキラしたところじゃなくて、地元の人たちが普通に行くような、親しみがある温かいところ!」
ほうほう。
そんな「リアル」な日本を見てみたい友達に是非紹介したいお店がここ、亀戸香取勝運商店街にありました。レトロな雰囲気が心をくすぐる素敵な参道を歩いていくと…
わぁ♪
こちらは「坂本商店」。立派な建物におしゃれな看板、そして旬の果物や野菜が色鮮やかに目を惹きます。
現在のご主人は2代目。昭和24年(1949年)、戦後間もなく地域に戻り、お店を始めたのはご主人のお父様。戦前から見習いとしてずっと修行を重ねていたらしく、戦後も八百屋一筋だったそうです。
その腕を受け継いだ現ご主人の坂本友治さん。長年の経験を生かし、いい野菜や果物は勘でわかるのだとか。
この時期はやっぱりリンゴ、柿、みかん、ですね。
どれもおいしそう!
日本を代表する漬物、ぬか漬けもずらり。お店に並んでいるぬか漬けはご主人担当だそうです。
そんなご主人に並んで親切に出迎えてくださった奥様の担当は、なま酢や梅干し、さらにリンゴのジャムまで。
梅干しに関しては伝統派な奥様。「塩分控えめ」が流行る世の中に流されず、昔ながらのしょっぱい!すっぱい!梅干しを作り続けているのだそうです。
「だってごはんが進まなきゃ意味ないでしょ?」
ごもっともです。
こちらは作りかけの花梨のハチミツ漬け。出来あがりが楽しみ!
奥様が丁寧に切って詰めてくださったお野菜を買えば料理も楽ちん。
「機械は使わないの。おいしくならないから。」
お野菜や果物だけではなく、幅広い商品を手間暇かけて作り揃え、お客様に提供する。
そんなところに温かさを感じます。
いろいろ見せてもらっているうちに…お客様?
「こんにちはー」
ふらりと入ってきたこのお方は、区内で教師を務めるショーンさん。今日はたまたま用事があった際に寄り道したのだとか。やっぱりフレンドリーなオーラに惹かれたのでしょうか?
ズバリ「こういうお店、どう思う?」と聞いてみたところ…
「スーパーや大手で買うよりも、こういうところで買うほうが好きだよ。自分のお金が地元の振興につながるような感じがしてうれしいしね。」
素敵なコメント、ありがとうございました!
「こういう商売してるとさ、いろんな人がくる。そういう人たちといろんな話ができる。それが一番面白いんだよ」とご主人。
人情溢れる坂本商店。「本当の東京」の姿をひとつ、見つけました。