煎餅職人のいぶし銀の“相棒”
公開日:2015年3月10日
向き合って、共に作って
たまに機嫌を取って、なだめたりして・・・
御歳80歳、熟練の煎餅職人・越河 進さんがずっと向かい合っているもの。
それは1972年に導入した中古の煎餅焼き機。
からっからに乾燥させた
うるち米でできた煎餅の「素」をセットして。
掃除機の要領で「素」をヒュッと一枚ずつ。
この画期的なシステムは越河さんお手製!
そうして一枚一枚、機械に乗って・・・
火の上をくるくる。
裏にしばらく火が入ったら、
ひっくり返して今度は表が、裏側になって・・・
時たま、ちょっと焦げすぎちゃったら、
越河チェックが入って。
(ま、しょうがないよね)
第2ステージは
“ぺったん”エリア。
膨らみを均一にするために 規則的にぺったんぺったん。
最終ステージ・“〆の焼き付け”エリアまでやってくると、
もう立派にお煎餅の見た目。
そして・・・
でっきあっがりー!
寡黙に、ただひたすら“相棒”と向き合って。
火力の調整や、
焼き網も越河さんが作成したものだそう。
大切に、大切に、大事に。
この道30年のいぶし銀の職人技、
相棒との「信頼関係」が感じられました。
明治から続く、日本人の「3時のおやつ」の味
創業は1907(明治40)年。
戦後、お米が安定供給されるまでは、飴などを販売していたことも。
こじんまりとした店内には、
なんと
情緒豊かな池(ミニサイズ)もあったりして。
「下町の、よき お煎餅屋さん」という雰囲気があります。
実直な製法で作られる、昔ながらの味のお煎餅。
「うすやき」1枚40円をはじめ、
正真正銘・醤油のみの味付けで
しっかりと“ショッパイ”「生正油」1枚100円には
遠方からもわざわざ買いに来るファンも存在!
天神様のお膝元ということもあって
縁起物!「合格煎餅」1枚100円も根強い人気者!
こりゃぁ、応対してくれるのは、
ステキに歳を重ねられた「おばあちゃん」かしらん、
なんて思っていたら
こんなお若い美人姉妹が! 姉・大木章代さん(右)と妹・美恵子さん。
亀戸の、天神様門前の、お煎餅屋さんには
期待を裏切らない「素朴」なおいしさがありました。