繊細な仕事が光る創作酒肴を、肩ひじ張らずに楽しめるちょい飲み処
公開日:2020年3月24日
今回ご紹介するのは、こんなところにこんな名店が! と、思わず小躍りしてしまった、知る人ぞ知る隠れ家店。
丸八橋南詰交差点からすぐの、丸八通り沿いに建つ
ちょい飲み 蔦はん(つたはん)
高級割烹を思わせる佇まいに、ちょっぴり敷居が高そう?と思いながら扉を開けると、
大将の山口公暁さんと女将さんが温かく迎えてくれる、アットホームな空間が広がっています。
風情ある小上がりが印象的な、趣ある店内で楽しめるのは、都内や熱海の有名店や料亭で腕を磨いた山口さんが丹精込めて紡ぎ出す、お酒がすすむ美皿の数々。
高級割烹のような優美さをたたえながら、こちらの大きな魅力は、ズバリ、旨い!安い!
名物「蔦はん流 本まぐろ ぶつ」は、800円。馴染みの魚河岸から仕入れる本まぐろのぶつは、鮮度抜群の上質なもののみ。わさびと小ネギ、みょうがで和えたものと、そのまま大根に乗せたものと2種を食べやすく盛り合わせてサーブ。
良質な部位だけを厳選しているから、そのままでも美味。そして、オリジナルの薬味和えが、これまたかなりおいしい! これが800円でホントにいいの?と尋ねたくなるほど。
家ではこの味は出せない!と地味ながら名物となっているのが「ごぼう唐揚げ」580円。
土ごぼうを、注文を聞いてから太めにカット、下味と片栗粉を付けて揚げるので、ごぼうの風味と香りが際立ちます。程よい歯ごたえと食べ応え、食欲そそる香りが後をひくおいしさ。ビールが進みます!
こちらはキッズからご年配の方まで幅広いファンのいる「シーフードグラタン」。ミニ550円。
小麦粉をバターでじっくり炒めて作る自家製のベシャメルソースに、ホタテや海老、イカなど魚介がぎっしり。濃厚クリーミーな味わいに、トッピングのトマトがアクセントです。
このグラタンと、ルーから手作りするカレーの「ハーフ&ハーフ」も人気の逸品。
そのほか、旬の食材を使った「本日のおすすめ」も。今日はほくほくの「かぼちゃの煮付け」が登場しました。
夏には「ほやの刺身」「ほやの塩辛」「ねぶた漬け」など、山口さんの故郷、青森の珍味が登場することもあるそうです。
青森の美酒と多彩な焼酎に舌鼓
「“ちょい飲み”っていう店名なんだけど、うちのお客さんはよく飲むから“がぶ飲み”だわね」と笑う女将。ボトルキープもたくさん並びます。
ラインナップは、田酒など青森の地酒に、焼酎色々。
北海道産のこんぶ焼酎なんていうレアな銘柄もありますよ。
そして、キッズはもちろん、大人にもぜひ試してほしいのが、青森直送のりんごジュース。200円。
まるでフレッシュなりんごを飲んでいるような、果実感あふれる瑞々しいおいしさです。
匠の職人技で丁寧に作られた旨い酒肴とそのおいしさを引き立てるお酒がリーズナブルに楽しめるこちら。実は日本舞踊の名手でもある山口さんと、気さくな女将との気の置けない会話も大きな魅力のひとつ。お一人様の女性客も多いと聞いて納得の居心地の良さです。
店内には、舞台上の山口さんの写真がズラリ。京派藤間流家元 五世 藤間蔦十郎という芸名で活躍されていたのだそう。
日本舞踊ファンも、美味と美酒、楽しい会話でほっこり和みたい人も。気軽に足を運べる、本当は内緒にしておきたい名店です。