ホテルフレンチ出身シェフが紡ぎだす、唯一無二のスープスパゲティ
公開日:2019年12月17日
※取材時点の料金から変更している可能性があります。最新の情報はお店にお問い合わせください。
住吉駅から徒歩12分。
閑静な住宅街に佇むスープスパゲティ専門店
スプスパ
駅から少し歩いてでも、わざわざ足を運びたい名店です。
一見アットホームな下町のイタリアン、という印象。
が、ひとたびそのスープスパゲティを口に運べば、作り手がただ者ではないことがわかるはず。
例えば定番人気の「カルボナーラ」。ベースのスープは、化学調味料を多用した味とは一線を画する滋味深さ。深いコクをたたえながら、クリーム系にありがちなくどさは一切なく、なんとも洗練された味。トッピングのゴーダ、モッツァレラ、パルミジャーノの3種のチーズと、アクセントのフライドオニオンが、そのおいしさを引き立てながら、もちもちのパスタに絶妙に絡みます。
△フレンチ技法でとったフォンにベシャメルソースを加えたスープが絶品!「カルボナーラ」750円
この珠玉の一皿を生み出しているのは、元矢学シェフ。月島のフレンチで研鑽を積み、赤坂のホテルで総料理長に。その後箱崎ターミナルビルほかフレンチの有名店で総料理長として活躍した実力派です。
△2019年2月には人気テレビ番組「有吉くんの正直散歩」にも登場し、スープスパを披露した元矢シェフ
2012年独立した際、スープスパゲティに特化したのは”唯一無二の店でありたいから“。
着想は、赤坂のホテル時代のまかないだそう。修行時代によく作っていた「ベーコンと鶏肉のオレガノ風味」は、現在人気メニューの一つとなっています。
まかないから生まれたカジュアルなメニューながら、そこには手間ひまかかるフレンチの技法がぎゅっと凝縮。
△五感を研ぎ澄ませてキッチンに立つ元矢シェフ。スパゲティの独特のもちもち食感は企業秘密の茹で方にあり
ベースとなるフォンは、鶏と魚介に昆布と鰹節を加え、弱火でコトコト煮込んで作ります。カルボナーラは、そこにベシャメルソースやバターを。
△手前でオーダーの品を仕上げつつ、奥では次週の「週替わりパスタ」のクラムチャウダーのベースを仕込んでいるところ
「週替わりパスタ」のひとつ「ボルシチ」は、ビーツ、玉ネギ、人参を弱火でじっくり炒め、その横で煮込んだ牛すじとスープを合わせた手間暇かかった一皿。肉と野菜の旨みが凝縮した、優しくてコク深いおいしさです。冬限定の人気メニュー、次は2月ころ登場予定だそう。
△牛すじスープベースのコク深く優しい味わいの「ボルシチ」750円。毎年楽しみにしているファン多数
学生時代は美術部で、氷彫刻をしたくてフレンチの道に進んだという元矢シェフ、ジャンルの枠を超えて、常に独創的な新メニューを考案しています。美術部出身ならではのまるで絵画のような手書きメニューにも注目!
四季折々の味覚が楽しめる「週替わりパスタ」は、他にも冬の「クラムチャウダー」「きのこクリーム」「豚骨ラーメン風」「キムチクリーム」や、夏の「ココナッツカレー」「冷製カレー」など30種以上。常に新しい味に出会えるのも魅力で、毎週足を運ぶ常連さんも多いのだとか。いずれも750円、その週のパスタはHP内ブログで告知していることも。行く前にチェックしてみてくださいね。
△使用するオイルは自家製のガーリックオイル。こちらもガーリックの香りだけじゃない、フレンチの技が詰まった逸品です
グランドメニューは、前述の「カルボナーラ」「ベーコンと鶏肉のオレガノ風味」、「魚介類のパスタ ペスカトーレ」「たらこのクリームスープ」などスープスパのほか、「ハンバーグ定食」「ハヤシライス定食」などフレンチの技が光る洋食も充実。
△隠れ名物「自家製キムチ」「もつ煮込み」など、おつまみ系も、フレンチシェフならではの洗練された味わいです
ホテルフレンチの意匠が詰まった美皿を、気軽にリーズナブルに楽しめる「スプスパ」。毎日でも通いたくなる優しい味わいも魅力です。