東京マイスターの工房見学記
公開日:2014年11月21日
東京マイスターの工房見学へ
こちらはべっ甲作りの職人として、東京都認定東京マイスターの称号を持ち、江東区の無形文化財にも登録されているという、磯貝實(みのる)さんです。
「江戸時代に作られたかんざしの修理を頼まれたんですよ」と見せていただきました。
べっ甲職人と蒔絵師による、美しいかんざしです。
「江戸の職人の技術、素晴らしいでしょ」と磯貝さん。
こうした高度な技術を持つ職人さんが減る中、磯貝さんは匠の技を継承する3人の息子さんと共に、多くの作品を作っています。
企画、デザイン、製作、販売、すべてをこなす、師匠と三本の矢とも言うべきアーティスト一家です。
べっ甲作品ってどうやって作るの?
古く、奈良時代に中国から日本に入り、江戸時代にかんざしとして使われてから広く愛用されるようになったという「べっ甲」。
これが素材となる亀の甲羅です。
光を通すとこんなに綺麗に!!
べっ甲作品は、この甲羅を加工して仕上げていくのですが、工程が実に多いそうです。
息子の剛さんにべっ甲のこと、教えていただきました。
色柄が同じになるように糸のこでカットした2枚の素材を、水で濡らしていねいに重ねます。
それを木板に置きます。(わかりますか?2枚のべっ甲素材が重なっています)
傍らで、厚みのある鉄板を熱しています。
「温度はカンです」と剛さん。
木板で挟んだ先ほどのべっ甲を、適温まで熱した鉄板の間に置き、圧力をかけます。
べっ甲のタンパク質に含まれる成分が熱によって糊のようになり、2枚のべっ甲がしっかりと合わさりました。
こうして厚く丈夫にした素材に、削ったり磨いたり等の加工を施して、美しい作品が仕上がっていきます。
こちらは蒔絵師とのコラボ作品で、帯留めになるそうです。
べっ甲の研磨を体験
最後にツヤを出すための研磨をします。
「やってみますか?」
「はい!!!」♪
ということで、ワタシも剛さんのレクチャーを受け、研磨に挑戦しました。
いかがでしょう!不慣れながら、ツヤツヤになりました。
小さなパーツひとつひとつ、この研磨作業をするのですから、職人さんには根気が必要ですね。
アートギャラリーのようなお店です
工房で作られたオリジナルの作品を販売しているのはこちら。
「ベッ甲イソガイ 亀戸店」は亀戸天神、鳥居の目前にあります。
天神様にお参りされる方に人気の「金運銭亀」は1,000円から。
「これを財布に入れたら宝くじが当たった」という歓びの報告もあるんだとか。
これぞ、べっ甲!!!という伝統的なかんざし。
モダン・粋・・そんな言葉が思い浮かぶ、お洒落な帯留め。
クリスマスや誕生日のプレゼントにもらったらテンション上がりまくりそうな、ピアスやイヤリング。案外お値段もお手頃なので、おねだりしてみようかな・・なんて。
べっ甲と天然石を組み合わせた新感覚のアクセサリー、イチオシです!
この値段なら、自分へのご褒美にしても良いし・・
動物モチーフも、べっ甲ならオトナ向け。
動きがあって、可愛いデザインです。
ほんの一部のご紹介でしたが・・アクセサリーだけでなく食器や耳かきなどもあり、
美しいアートを見るようにココロときめいた取材でした。
べっ甲のアクセサリーをさりげなく身につける・・・
そろそろそんなオトナ生活、してみませんか?
※写真中の商品の価格は2014年10月時点のものです。