砂町銀座に生まれた、ほっとひと息つける場所
公開日:2026年8月7日
※取材時点の料金、営業時間など変更している可能性があります。最新の情報はお店にお問い合わせください。
「COYORI with ここち」が目指す、人と街をつなぐカフェ

焼き鳥の香ばしい匂いに誘われて足を止め、お惣菜を一つ買ってまた歩き出す。
店先からは威勢のいい声が響き、行き交う人たちの手には、さまざまなお店で買った食べ歩きグルメ。
歩いているだけでも楽しい砂町銀座商店街には、昔から変わらない活気があります。
でも、そんな商店街を歩いていると、ふと「少し休みたいな」と思うことはありませんか。
買い物袋を隣に置いてコーヒーを飲んだり、友人と今日買ったものを見せ合ったり、ただぼんやり過ごしたり。
そんな時間を過ごせる場所が、この春、砂町銀座に生まれました。
2026年5月にオープンした「COYORI with ここち」です。
「カフェをやりたかったわけじゃないんです」
そう話してくださったのは、マネージャーの堀川さん。
「砂町銀座って歩くのはすごく楽しいんですよ。でも、ゆっくり座って休める場所が意外と少なくて」。
その一言を聞いて、このお店は単純に「カフェを作った話」ではなく、気軽に休める憩いの場として、お客様に立ち寄っていだきたいという想いから生まれたのだと感じました。
商店街で買い物を楽しんだあと、少しだけ腰を下ろせる場所があったら。
コーヒーを飲みながら誰かと話せる場所があったら。
そんな”あったらいいな”を、自分たちの手で形にしたのが「COYORI with ここち」でした。
オープンのきっかけは、斜め向かいの店舗が空いたこと。
「ここならできるかもしれない」。
そんなタイミングも重なり、お店づくりが始まります。
目指したのは、次々とお客様が入れ替わるカフェではありません。
「今日は空いているかな」。
そんな気軽な気持ちで立ち寄り、時間を気にせず過ごせる場所。
だから店内は、席数を詰め込むことよりも、ゆったりとした空間づくりを優先しました。
実際、お食事のあとにコーヒーを飲みながら会話を楽しみ、そのまま何時間もゆっくり過ごされるお客様もいるそうです。
「居心地がいいと思ってもらえたら、それが一番うれしいですね」。
その言葉どおり、この空間には、時間に追われるような空気がありません。

△厨房を眺めながら過ごせるカウンター席。一人でも二人でも、ゆったりとした時間を

△温かな色合いのイスとソファを配したテーブル席。大きな窓から光が差し込み、心地よい時間が流れます
一杯のコーヒーにも“また来たい”を込めて
また、店内に入ると目を引くのが、大きなエスプレッソマシン。
実はこれも、お店のこだわりの一つです。
「カフェだからこそ、おいしいコーヒーを飲んでもらいたかった」
その想いから選んだ本格的なイタリア製マシンで、一杯ずつ丁寧に淹れるカフェラテは人気メニュー。
ランチのパスタを楽しんだあと、そのままスイーツとコーヒーを注文してゆっくり過ごす人も少なくありません。
パスタには旬の野菜や季節の食材を取り入れ、その時期ならではのおいしさを届けています。
「今日は何があるかな」そんな楽しみも、このお店の魅力の一つ。
さらに、日替わりで楽しめるオーガニックハーブティーも用意されています。
いつ訪れても、新しいおいしさに出会えるように。
そんな細やかな心配りが、メニューにも表れていました。

△人気のキャラメルマキアート(ホット)。エスプレッソの豊かな香りとミルクのまろやかさが調和した、ほっと心ほどける一杯

△まずは、ふわふわのフォームミルクをひとすくい。思わず試したくなる、おすすめの楽しみ方です

△カフェラテ(アイス)。すっきりとした飲み口とやさしいコク。商店街歩きの合間に味わいたい一杯です

△こちらのイタリア製エスプレッソマシンで一杯ずつ丁寧に淹れています

△テイクアウト一番人気の「キッシュ」。一度に4~5切れ購入する人も多く、人気の日には1日に何回も焼き上げることもあるそうです
実は、補聴器の相談もできるカフェ
「COYORI with ここち」を運営しているのは、砂町銀座で長年親しまれてきた
眼鏡・補聴器専門店「ここち」。
そのため、このカフェでは補聴器の相談も受け付けています。
一見すると珍しい組み合わせですが、お話を伺ううちに、その理由が見えてきました。
「補聴器って、相談するだけでも緊張してしまう方が多いんです」。
聞こえに不安があっても、「まだ大丈夫かな」「高いものを勧められそう」と、一歩を踏み出せない人は少なくありません。
だからこそ、コーヒーを飲みながら、家族と一緒にゆっくり話せる場所をつくりたかった。
その考えが、このカフェにつながっています。
堀川さんは、5年以上の研修と試験を経て取得する認定補聴器技能者。
聞こえ方だけでなく、生活スタイルやご家族のことまで丁寧に耳を傾けながら、
一人ひとりに合った提案を行っています。
「まずは話を聞くことから」。
その姿勢は、コーヒーを提供するときの温かさとも、どこか重なって見えました。

△お店の中にある「きこえの相談ルーム」。カフェに併設されているため、聞こえについて気楽に相談できる空間です

△トレードマークのメガネが印象的な、マネージャーの堀川さん。認定補聴器技能者として、聞こえに関する悩みに丁寧に耳を傾けています
この街だからこそ、この街らしく
最近は、砂町銀座にも海外から訪れる人が増えています。
週末になると、外国人観光客の姿も珍しくありません。
それでも堀川さんたちが大切にしているのは、昔から商店街を利用してきた地域の人たちです。
「地元の人が来づらくなるようなお店にはしたくないんです」
その言葉が、とても印象に残りました。
話題になることよりも、地域に根付くこと。
特別なお店になることよりも、「あそこならゆっくりできるよ」と思い出してもらえる場所になること。
そんな想いが、このお店には流れています。

△取材中にも多くのお客様が来店。地域の人が自然と集う場所になっていました

△撮影中、「私も写りたい!」と姉妹店「ここち砂町銀座店」の店長・内村さん(左)が飛び入り参加。気さくな人柄と爽やかな笑顔が印象的でした

△ストアマネージャーの金城さん。やさしい笑顔でお客様を迎える姿に、お店の温かな雰囲気が感じられます
人と街を、ゆるやかにつなぐ場所
商店街で買い物を楽しんだ帰り道。
少し歩き疲れたら、コーヒーを飲みながらひと休みする。
友人とのランチをゆっくり楽しむ人。
一人で読書をしながら過ごす人。
聞こえについて気になることがあれば、そのまま相談してみる人。
この場所で過ごす時間は、人それぞれです。
でも、どんな過ごし方にも共通しているのは、
「ほっとできる時間」
があること。
「COYORI with ここち」は、カフェであり、相談の場であり、人と人をつなぐ場所。
そして、人と街をゆるやかにつなぐ場所でもあります。
砂町銀座には、歩く楽しさがあります。
そこにもう一つ、「立ち寄る楽しさ」が加わりました。
買い物の途中でも、予定がなくても。
「少し休んでいこうかな」
そんな気持ちになったら、ぜひ扉を開いてみてください。
きっと、おいしい一杯と心地よい時間が迎えてくれるはずです。

△ショーケースには、思わず目移りしてしまうスイーツがずらり。どれにしようか迷う時間も楽しみのひとつです

△店内で販売しているパン。テイクアウトして、おうちで楽しむのもおすすめです

△ランチメニューはこちら。季節の食材を取り入れたパスタや日替わりキッシュ等のおすすめを楽しめます

△モーニングセットやドリンクメニューはこちら。時間帯に合わせてさまざまな楽しみ方ができます

△アルコールメニューも用意。ランチはもちろん、ゆっくり過ごしたい午後にもぴったりです
取材後記
今回の取材で、実はもう一つ印象に残ったことがあります。
それは「補聴器」に対するイメージです。
私自身、補聴器というと「高齢になってから使うもの」「目立つもの」という印象をどこかで持っていました。
でも、お話を伺う中で、そのイメージは大きく変わりました。
最近の補聴器はとてもコンパクトで、見た目もスタイリッシュ。
ぱっと見ただけではイヤホンとの違いが分からないほどで、身に着けることへの抵抗感も以前よりずっと少なくなっているそうです。
堀川さんは、「補聴器は一人で悩まず、ご家族と一緒に来てほしい」と話してくださいました。
そのために、緊張せず立ち寄れるカフェというスタイルを選んだことも印象的でした。
聞こえの悩みは、本人だけでなく、ご家族にとっても身近なこと。
「補聴器=特別なもの」ではなく、
「聞こえを快適にするための選択肢の一つ」と考えられる人が、これからもっと増えていくのかもしれません。
何より、お店に流れる穏やかな時間と、スタッフの皆さんの温かな人柄がとても印象的でした。
お忙しい中、取材にご協力いただいた堀川さんをはじめ、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。

△イヤホンのような充電ケースに入った補聴器。言わなければ補聴器と気付かないほど、スタイリッシュなデザインです

△手のひらに載せるとこのサイズ。コンパクトな見た目に、「補聴器」のイメージが変わりました

△取材の最後に、お店の前で一枚。皆さんの温かな人柄に触れ、笑顔あふれる取材となりました
※2026年6月取材時の情報です。料金や営業時間などが変更になる場合がございます。詳細は必ず店舗にてご確認ください。
※記事中の金額は全て税込みの価格です。