気鋭の女性シェフが腕をふるう豊洲の隠れ家ビストロ
公開日:2020年8月19日
豊洲駅から徒歩5分。大通りから少し入った路地に建つ小さなビストロ
カドヤ(KADOYA)
豊洲界隈で、ワインと美食をこよなく愛するグルマンたちが集う、知る人ぞ知る実力店です。
△衛生管理を徹底、席の間隔を広く取るなど、安心・安全な環境で営業しています
初めて訪れ、その飾らない店構えから想像する以上の洗練された料理に驚く人も多いこちら。店内は、大きな手書きの黒板メニューや、イタリアやオーストラリアのワイン地図が飾られたカジュアルな空間です。
一方の壁には、シェフの友人でスイス在住のフォトグラファーの作品が展示されていて、ちょっとしたアートギャラリーのような雰囲気も。
そんな、カジュアルさのなかにアーティスティックな雰囲気が息づいたリラックス空間で楽しめるのは、佐々木順子シェフが素材を吟味し、その素材の持ち味を最大限に引き出す調理方法と匠の技で紡ぎ出すビストロ料理。フレンチをメインに、イタリアンや、和のエッセンスを加えた創作メニューまで、上質な素材が主役の美皿が約100種類ほどもオンリストしています。
その数多あるメニューを全て一人で作っているという佐々木シェフ。製菓学校卒業後、ホテルのベーカリー部門を経て、フランス料理店で修行を積み、2011年に独立。この引き出しの多さは、この経歴に裏打ちされたものだったのですね。
大切にしているのは、「素材と向き合い、丁寧に作ること」。
例えば、通年を通して人気の「ラタトゥイユ」990円。
夏ならズッキーニ、パプリカ、ナス、玉ネギなどの野菜を、それぞれが一番おいしい状態に仕上がるよう別々に炒め、最後にフレッシュトマトを煮詰めたソースでマリネ。大きめにカットするのは、食感と瑞々しさも楽しんで欲しいから。交流のある青森の農家さんが作るにんにくや、ハーブの風味が野菜のおいしさを包み込んだ、滋味深い一品です。
こちらは同店のスペシャリテともいえる「北海道産塩水ウニと人参のムースコンソメゼリー寄せ」2,200円。
△1人前を2グラスでシェアしても◎
濃厚クリーミーなウニの旨みと、人参の甘みとくちどけの良さが楽しいムース、繊細なコンソメのジュレが、口の中で溶け合いながらおいしさが幾重にも広がります。
「保存料のミョウバンを使わないので、日持ちがしないのですが、ウニそのもののおいしさを味わっていただきたくて、塩水ウニを使っています」というこだわりの食材・塩水ウニ。パスタやリゾットでも楽しめますよ。
四季折々の限定メニューにも注目。「埼玉県産未来コーンのバターリゾット」(1,480円)は、アルデンテのお米と、甘みが強く、ぷちぷちと口の中ではじけるコーンの食感が楽しい一皿。
△隠し味に醤油を少し。バター醤油コーンのおいしさをリゾットに仕立てたような、お子様にも人気の味です。9月からは宮城県産の「しあわせコーン」を使用予定
焼きトウモロコシをトッピングした、コーンのおいしさを多角的に堪能できる、夏限定のおいしさです。
そのほか「ベーコンと玉ネギのキッシュ・ロレーヌ」(1,200円)
「国産豚肉と白レバーのテリーヌ」(1,200円)
「播磨灘産1年牡蠣のクリームリゾット」(1,880円)
など、洗練された味わいの手の込んだビストロメニューが勢ぞろいで、あれもこれもオーダーしたくなる、悩ましい品揃え。
生産者の方との交流を大切にしている佐々木シェフが、「甘みがあって香りがきつすぎず、とてもおいしい」と絶賛する、青森県産田子町のにんにくを使った「田子産にんにくと瀬戸内魚コラトゥーラのペペロンチーノ」(1,380円)は、常連客に愛される隠れ人気メニューです。
ワイン&スイーツも秀逸
ペアリングを楽しみたいワインも「産地にこだわらず、おいしくてコスパのいいものを揃えてます」とは、なんとも嬉しい限り。
△ワインはボトル3,000円台、グラス600円から用意
フランス産、スペイン産、イタリア産、オーストラリア産など、多彩な産地&品種の高コスパワインが勢揃い。その種類なんと、50種以上。ハレの日に開けたい銘醸ワインも揃っています。
そして忘れてならないのが製菓学校出身の佐々木シェフが手作りするスイーツ。季節のフルーツを多用した、その時期ごとのタルトが楽しめます。写真は一例。
「いちじくのタルト」
「紅玉と洋梨のタルト」
「宮城県産もういっこイチゴのタルト」
など、これまた悩ましいチョイスです。
△毎年好評のクリスマスケーキは、事前予約制。受付時期など詳細はFBをご覧くださいね
思い立ってふらりと足を運べるカジュアルさと、星付き店と肩を並べるほどの洗練された料理。こんな隠れた名店が、豊洲にあったなんて。豊洲のフードシーンを格上げしてくれる魅力あふれるビストロです。