江東区のソウルフード深川めしを粋な下町情緒と共に召し上がれ
公開日：2023年11月19日
※取材時点の料金から変更している可能性があります。最新の情報はお店にお問い合わせください。
「深川めしがより愛されるように、一人でも多くの人に食べて欲しい」そんな熱い想いから、ほぼ休みなく毎朝出汁をとり、深川めし振興と深川地区の活性化に尽力する店がある。
深川めし八郎右衛門
オーナー・飯島さんが一人で切り盛りする深川めし八郎右衛門は、2022年7月にオープンした深川めし専門店。お米や出汁、調理法から調味料までとことんこだわった深川人の思いの詰まった「深川めし」を提供している。
江戸時代から地元で愛され続けてきたアサリご飯「深川めし」
深川の漁師たちが仕事の合間に食べる賄い飯が始まりだったとされている、深川めし。今でもお寿司屋さんの業界用語で「深川」といえばアサリのことを指すように、深川では新鮮なアサリが安価で手に入っていたため、お袋の味としても広く普及していたんだそう。
さらに深川めしのメインとも言えるアサリには、肝機能を高め代謝を促進するタウリンやビタミンB12が含まれていたりと、栄養豊富で美味しい出汁が取れる食材として重宝されてきた。
現在では、深川めし専門店や割烹、和食店の他にも、蕎麦屋や居酒屋などの店がそれぞれの特徴を生かしたバリエーション豊かな「オリジナル深川めし」を提供する店舗も増えており、新たな深川めしにも注目が集まる。
八郎右衛門が提案する、それぞれの食材の風味を生かした「オリジナル深川めし」
深川めしの伝統的な調理法は「炊き込み」「ぶっかけ」の二つ。 深川めし八郎右衛門が提案するのは、どれにも当てはまらない日本料理の伝統技法を用いた「炊き合わせ」と「蒸籠蒸し 」だ。
△関東の青のり専門店の青のりを使用。深川めしの風味をさらに引き立たせる影の立役者だ
アサリにはアサリの、ごはんにはごはんの、それぞれに合った最適な調理法で作って炊き合わせる調理法で、思わず一粒一粒噛みしめて味わってしまうほど旨みが凝縮した仕上がりになる。
こだわりは調理法だけではない。お米は、なんと飯島さんを始め50名を超える地元有志の方と一緒に田植えを行なった有機米コシヒカリを使用している。アサリの残り汁を炊き汁にも使用していて、こちらのお米との相性も抜群だ。
調味料は、毎朝とっている出汁や本みりん、生しょうゆにザラメ砂糖、自家製味噌など厳選した無添加調味料を使っているので、小さなお子様やご高齢の方も最後の一口まで安心して美味しくいただくことができるのも特徴だ。
さらに、昼飲みもできる深川めし八郎右衛門は酒も旨い。豊富なおつまみメニューと一緒に、舌の肥えた成る口も思わずうなる厳選された純米酒が愉しめる。
ここはぜひ「お燗」で注文いただきたい。つける人によって味が変わると言われている熱燗だが、大の熱燗好きである飯島さんがつける熱燗はやはり一味違う。お燗が美味しく飲める平盃も用意されているので、美しい器と飯島さんのトークと一緒に純米酒を楽しむことができる。
△「夏もお燗がおすすめです」と飯島さん。寒い日の熱燗は身に染みるほど美味しいが、暑い日の熱燗はなんとも大人の愉しみ方だ
酒の肴に人気なのは、「自家製粕漬け」 や「酒のあてプレート」、自家製の薬膳タレを使用した「よだれ鶏」。その他にも、毎週通っても飽きのこない豊富なメニューが魅力だ。
△かつおのたたき ごま塩油漬け 1,000円
△秋野菜のセイロ蒸し 1,300円
△川西屋酒造の純米酒粕で漬けた秋鮭の粕漬け 1,000円
△大人のカボチャシャーベット 200円
一通りお酒と肴を楽しんだあとの〆はもちろん「深川めし」一択。
△深川めし 1,000円
一人でも多くの人に食べてほしいとの思いから、比較的お手頃な価格で「深川めし」を提供している深川めし八郎右衛門。
「深川めし振興協議会」の会長として活動も行なっている飯島さんが手間暇かけて仕込んだ、江東区のソウルフード「深川めし」をぜひご堪能あれ。
※2023年9月取材時の情報です。料金や営業時間などが変更になる場合がございます。詳細は必ず店舗にてご確認ください。
※記事中の金額は全て税込みの価格です。
